3Dモデルを使った走る動作のアニメーション用ポーズセットです。
3Dモデルを使った走る動作のアニメーション用ポーズセットです。
1 概要
- 走る動作用のポーズは3枚セットです。
- 走る動作は、歩く動作に比べて動きが早いため、フレームレートを24fps(1秒間に24コマ)に設定します。
- 各ポーズはそれぞれ2コマ(2フレーム)毎に配置します。(2コマ撮り)
- 6枚で1サイクルです。(トータル12フレーム)
- 4〜6枚目は、1〜3枚目を左右反転して作ります。
2 制作プロセス
基本設定については「female-walk1」(歩く動作)にて図を用いて説明していますので、詳細についてはそちらも合わせてご確認ください。ここでは主に言葉で簡単に説明します。
2−1 アニメーション新規ファイル
アニメーション用の新規ファイルを作り、フレームレートを24とします。
2−2 3Dモデル
お好きな3Dモデルやキャラクターをアニメーションフォルダに入れます。アニメーションフォルダには、初期設定で番号1の空っぽのセルが入っていると思いますが、このセルを削除し、今入れた3Dモデルのセル名称を1とします。こうすることで、フレーム1に3Dモデルが配置されると思います。まれに配置されないことがありますが、その場合は、フレーム1を選んで、マウスの右クリックで1を選択します。
3Dモデルは、初期設定では正面向きです。横向きにしたい場合は、カメラのアングルで変更することお勧めします。モデルを回転させてしまうと、XYZ方向が変化し、調整が難しくなることがあります。
この段階でカメラアングル(モデルの向き)を決めておきます。
この例では、カメラ位置をモデルの側面に合わせました。
2−3 セルの複製
アニメーションフォルダにて「1」のセルを6枚複製し、1〜6の連番とします。(セルを選んだ状態で、トップメニューから「アニメーション」ー「トラック編集」ー「レイヤーの順番で正規化」で自動的に連番設定します)
2−4 フレームへのセルの配置
2フレーム毎に順次セルを配置します。フレームを選んで、右クリックでセル番号を選択することで、配置できます。
- フレーム3にセル2を配置
- フレーム5にセル3を配置
- フレーム7にセル4を配置
- フレーム9にセル5を配置
- フレーム11にセル6を配置
アニメーションの長さとしては12フレームとなりますので、最終フレームを12フレーム目とします。
2−5 3Dモデルへのポーズの適用
各セルのモデルにrun1~3の各ポーズを適用します。
- セル1 <ー run1
- セル2 <ー run2
- セル3 <ー run3
- セル4 <ー run1
- セル5 <ー run2
- セル6 <ー run3
2−5 セル4〜6の3Dモデルを左右反転
セル4、5、6の3Dモデルを左右反転します。
この段階で、タイムラインの図柄は以下のようになっていると思います。リピート再生していただくと、ページトップのanimated gifに示したアニメーションができていると思います。
3 応用
背景を動かすアニメーションに応用してみた例です。
背景には、天球データ「林」を使っています。
せっかくなので、天球を使ったシームレスな背景の作り方について記載します。試作なので、もっと効率的なやり方があるかも知れませんので、参考程度としてください。
3−1 一般のイラスト用の新規ファイルを作り、そこに天球データを貼り付け、天球用パノラマ書き出しします。
3−2 パノラマ画像は、360°回転画像なので、左右を接続することでシームレス画像になります。イメージサイズはこのままでもよいですし、上下をカットしてもよいです。
オリジナルのイメージ幅は8192pxですが、ここではこのまま使っています。書き出されたパノラマ画像から画像の入ったレイヤーをコピーします。
3−3 上で作った「走る動作」のレイヤーにパノラマ画像レイヤーをペーストします。ここでは背景レイヤーの上に置きました。画像の一部が見えていると思います。パノラマ画像に合わせて、キャンバスサイズを変更すると以下のように背景画像全体が見えるようになります。(高さはそのままでキャンパス幅のみ8192pxに設定し、中央部分が見えるように置きました)
3−4 アニメーション用新規レイヤーとして「2Dカメラフォルダー」を作り、アニメーションフォルダの下に置きます。この2Dカメラフォルダーに、パノラマ背景をドラッグ&ドロップします。
すると、画面中央に青枠ができます。青枠はカメラビューになります。
3−5 カメラビューにキーを打ちます。カメラレイヤーを選択し、フレーム1でビュー位置をパノラマ画像の左端に、フレーム12で右端に合わせ、それぞれの位置で「キーフレームを追加」ボタンでキーを打ちます。
この状態で再生すると、こんな感じで、背景がシームレスに流れるアニメーションが確認できると思います。
4 まとめ
走る動作については、参考にできる細かな時間軸で撮られた瞬間連続写真がネット上にも数多くあります。逆にアニメーションとする場合、どの瞬間を選択したらいいのかが判断がつきません。
現場ではフレームレート24で、2コマ撮りが一般的のようです。中割りは2,3枚とのことで、このモデルでは2枚としました。つまり一歩を3分割することになります。
走る動作は歩く動作と異なり、両足が地面から離れる瞬間があります。現場では、足が地についた瞬間をコマとしているようで、これも現場のしきたりに従いました。
モデルの向きやアングルをコマごとにダイナミックに変えることで、迫力ある演出ができると思います。また、モデルの手足のフリを大げさにすれば、よりアニメっぽくなり、2コマ撮りを4コマ撮りにするとジョギングっぽいスローな走りになります。
このアニメーションのようにマジに走る動作の場合は、男女の差は少ないようで、男女どちらに用いてもいいようです。
アニメーション基本動作