ペンで描いたようなふちどりが付けられる、投げなわ塗りっぽいツールです。

投げなわ塗りと似た使用感で、ふちどりにはペンタッチの強弱が付きます。
同じレイヤーに塗った部分は、重なっているとくっつき、ふちどりは一番外側のみに付きます。
ベクターレイヤーと似た扱いなので、あとから線の一部を描き直したり、位置を動かしたりも簡単に行えます。
線はメインカラー、塗りはサブカラーを反映し、カラーでもモノクロでも使えます。

上のイラストのように、パーツごとに分けて色を塗りたい場合に大活躍してくれます。
画面手前に手を描いてぼかしたいときなどにも、サッと追加できるので重宝します。
Live2Dなど、パーツを動かしてアニメーションを作るときのパーツ分けにも便利です。
元はフキダシツールなのですが、用途的には投げなわ塗り+ふちどりペンに近いと思ってこの名称にしています…どう呼んだらいいんでしょうね。

シルエットや塊として捉えたほうが描きやすいパーツを描く際に、部分的に使用するのも効果的です。
特に、難しいポーズの手の形が高速で描けます。
他にもまつ毛がたくさんある目、尖った髪型、動きのついた三つ編みなども得意です。

個人的に一番使うのが、モノクロの漫画で効果音や小物のシルエットを描くときです。
仕上がりのスピードが全然違ってくると思います。
カラーでもモノクロでも、色々な作業が高速化し腱鞘炎が軽くなります、ぜひ一度お試しください!
使いかた
※注意:フキダシツールなので、フキダシレイヤーに描き込むと他のフキダシとくっついてしまいます!
レイヤーを分けることをおすすめします。
基本は投げなわツールと一緒ですが、元がフキダシツールなので、使いかたにちょっとコツがあります。
- 同じレイヤーに描いたものは、重なるとくっつく
- レイヤーが違うとくっつかない
- そのままだと色が塗れないので、ラスタライズなどが必要
- 新規レイヤーの作成方法が少し特殊
新規レイヤーの作り方は、主に下記のどちらかになります。
【1】ラスターレイヤー(「用紙」でもOK)を作っておき、一旦それを選択してから描く
【2】ツールプロパティの「追加方法」ドロップダウンメニューから「レイヤーを新規作成」を選び、描いたあとに「選択中のレイヤーに追加」に戻す
一発でパーツ分けできる状況なら、最初から「レイヤーを新規作成」設定にしておくと、描くたびに自動でレイヤーを作成してくれます。
色を塗る際には、主に下記のどちらかの手順が必要になります。
【1】ラスタライズするか、上に別のレイヤーをクリッピングして塗る
【2】レイヤーをコピーし、片方を線画のみ、もう片方を塗りのみにする
直接ラスタライズやクリッピングをすると、線まで一緒に塗りつぶすことになってしまうので、モノクロなど線に影響が出ない場合を除いて【2】のほうが良いかと思います。

【2】の「レイヤーをコピーし、片方を線画のみ、もう片方を塗りのみにする」方法は
- レイヤーをコピーして複製
- 「オブジェクトツール」のプロパティから「線を作成」を選択
- もう片方のレイヤーで「下地を作成」を選択
- 下地レイヤーをラスタライズするか、新規ラスターレイヤーをクリッピングして塗る
これで、線画を残したまま下地をきれいに塗れます。
細かい設定

ツールプロパティから、主に下記の設定ができます。
- 線・塗り…線だけ・塗りだけ・両方の選択
- 追加方法…今のレイヤーに追加で描くか、新規レイヤーに描くかを決めます。つなげて描きたい場合は「選択中のレイヤーに追加」にします。
- ブラシサイズ…線の太さ
- アンチエイリアス…アンチエイリアスを使うかどうか(あまり効いていない気がしますが…)
- ブラシ形状…線自体を変えたいときに
- 紙質…私の作ったテクスチャを使用しているのですが、かなりザラザラした質感なので、なめらかな線にしたいときはこれを削除してください
- 角をとがらせる…角が尖って出っ張ります。結構クセが強いので、尖らせたくないときはオフに

描いたあとに「オブジェクトツール」を使って編集することもできます。
- 線・下地…線だけ・塗りだけ・両方の選択ができます。
- 線の色・下地の色…線と塗りの色。カラーサークルなどでも変えられます。
- 下地の不透明度…下地の透明度。下書きを透かしたいときなどに
- ブラシサイズ…線の太さ・細さを調整
- ブラシ形状…線自体を変えたいときに
- 紙質…私の作ったテクスチャを使用しているのですが、かなりザラザラした質感なので、なめらかな線にしたいときはこれを削除してください
- 拡縮時に太さを変更…拡大・縮小したときに、線の太さをそのまま保ちたい場合はオフに

線と下地の色は、オブジェクトツールで選択してからカラースライダーなどを使って直接変えられます。

ベクターレイヤーと似た扱いなので、線修正ツールも使えます。
- 制御点…制御点の追加・削除など
- ベクター線つまみ…線をつまむと部分的に移動できる
- ベクター線単純化…線をまっすぐに
- 線幅修正…線の太さ・細さを調整
- ベクター線描き直し…線をなぞると書き直せる
- オブジェクトツール…クリックして削除や移動、線と塗りの色を変えたりもできる