アナログセルアニメで用いられた「スーパー」「半露出」を用いることで色塗りを簡略化することを目的としたオートアクションです
(2022.jan.20 名称と紹介文を変更 サムネは…また時間があったら直します……)
つかいかた
ベースカラーまで塗り終わった状態まで作業をします(赤が線画のレイヤー、青がベースカラーのレイヤー)
後述しますがベースカラーレイヤーにはグラデーション表現は使わないほうが作業がしやすくなります。
なんならアンチエイリアスすらオフにしたほうが良いと考えています。

ここでベースカラーレイヤーがアクティブな状態でオートアクションを実行します。
すると以下のフォルダ構成を得ることができます。

端的に言えばあとは「レイヤー」で調色を整え、「レイヤーマスク」で描画領域を整えます。
こうすることで調色と明暗の管理を別プロセス化させる「グリザイユ画法」と似た思想の塗りを行います。
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以下大雑把な説明。
このオートアクションを用いている私個人のやり方です。
基本的には以下ののやり方で効率的に絵がかけちゃうヤッター!というのがこのオートアクションの存在理由であるはずなので、是非マスターしてほしいところですが……
しかし道具の使い方は使う人の自由なのであくまでも一例と考えて創意工夫でお絵かきを楽しんでいきましょうね。
オートアクションはあとから編集して項目を追加したり削除もできますよ。
おおまかにどうなるかを理解するために右半分をざっくり、左半分には境界のはっきりしたブラシと境界のぼんやりしたブラシによって「あ」と描いてみました。

「レイヤーから選択範囲を作成」で境界線をよりはっきりさせてみましょう。

「あ」がベースカラーが塗られていない部分にははみ出していないこともわかります。
レイヤーマスク上では基本的にどんなブラシでも使えますから、
境界のはっきりしたアニメ塗りはもちろん

エアブラシや水彩ブラシで塗ることも自由自在です。



下2つの作例では線画も調色してありますね。
このオートアクションは線画には干渉していないので線画に色を乗せたりするのは全く別個の作業として行うことができ、ユーザーそれぞれの自由です。
ぱきっとした黒線画でも、境界線のまったく曖昧なブラシでも、そして線画レイヤーの存在しない絵でも。
続いて調色について解説します。
この調色特化グリザイユでは調色に「色域選択」と各種「色調補正」を用いると便利である、という想定をしています。
ぜひショートカットキーやコマンドバー、クイックアクセスに登録しておきましょう。


(「色相・彩度・明度」が一番細かくいじれてラクかと思います)
「色域選択」では「複数参照」にチェックを入れ、「参照レイヤー」を選んでおいてください。

これによりユーザーの塗りたい影色に向けて細かい調整が可能となります。
すでによく知られているデジタルグリザイユ法では「塗りたい影色ジャストの色選び」に難があると私は考えています。
しかし「調色特化グリザイユ」ではこのような極端な影色すら塗ることが可能です。

黄色い肌とうす橙の耳でそれぞれ全く別の色調補正が行われており、かつ赤い頬には補正が行われていないのがわかるでしょうか?
この色調補正を随意に行うためには「色域選択」が重要なので、上述したようにベースカラーがはっきりと塗り分けられていたほうが有利だと考えています。

ベースカラーにグラデーション等が含まれている場合は
特に個別の調色を意識せずに一括で処理をする方式ではデメリットがないのでそのような塗り方を極めて見るのも良いかもしれませんね。

「色域選択」では「色の許容誤差」の数値を大きくすることである程度戦うことができますが
この数値を大きくすると似たような色をすべて選んでしまうので私個人としては好きではないです。
(たとえば、頬の赤と口の中の赤を一括で選択してしまうような状態になってしまいます。)

使い方を細かく説明しないと成立しづらいのでちょっとこの便利さを伝えることができているか不安ですが本当に便利なんですよ、このレイヤー構築アクションは…… 俺は本気なんだ…誰がなんと言おうと絶対本気なんだ……